イン・ユーテロ

1周間前まで27歳だった。
 
音楽を好きなら知ってる人は多いと思うけど、27歳っていうのは音楽好きにとっては特別な年齢で、
才能あるミュージシャンが何人もその年齢で早逝してる呪われた年齢。
まだいっぱいおるけどみんなかっこいいから大好き。
軽音入ったりバンド組んでた学生時代を送った人なら、その年齢までに何か音楽的偉業を成し遂げて、
惜しまれながら死ぬっていう人生に憧れたはず。ミュージシャンの夢のひとつ。
大体の人が何も出来ねえで、明日の晩飯どーしよっかなーとかボーッと考えてるうちに
27歳またいで28歳になっちゃうんだろうけどな。僕はなっちゃったよクソが。
晩飯はチャーハンにしました。
 
でも僕は、厨二病で無気力で後ろ向きな根暗だから何をも成せない人生送ってきちゃったにも関わらず
とりあえず死にたかった。
ろくな仕事もしてなくて、仕事してねえから借金こさえちゃって、
それでも現状をきっちり認識できてないからたまに男にすがって[要出典]お金せびるようなマネして
ギリッギリ毎月を乗り切ってるくらいなので、さらに堕ちてくことは目に見えてて、
だから、これからさらに年取って、ナマポとかもらいながらも人生詰んだことをようやく認めてから
シワだらけになって白髪交じりのヒゲにうっすらと全体を覆われた加齢臭プンプン漂わせてる首に
泣きながら縄かけて口からくっさい息撒き散らしながら死ぬくらいなら
今のうちに、27歳のうちにせめて死ぬくらいはしておきたかった。
 
でも死ななかった。なんか、さすがに死のうとまでは思えなかった。
死なないといけない理由って見つけるの難しいけど、今日生きて明日も生きる理由なら
めっちゃ簡単に見つかってしまう。ワンピースの続き読みたいやんやっぱり。
まだまだワンピース全っ然終わりそうにないし~~~~
ルフィも「簡単に死ぬなんて言うな」みたいなことよく言ってるし~~。
 
で、これからまだ生き続けるならどうする?って考えた時に、もうすでに人生投げ捨てたようなもんだし
何してもいいんじゃねえか、とは思って、長年抱え続けてた自分の中の問題に向き合うことにした。
僕は、自分のことは男だとしか思わないけど、でも男として生きるのがどうしても嫌で、
女の子が大好きで女の子に憧れて、憧れ続けてたので、もう年齢は若くないけど
どーせ真剣に自殺考えちゃうようなカス人生だし、子供産めなくなっても色んな人に馬鹿にされてもいーやと思って、
開き直って女の格好で生活することにした。
個人的には事実上の自殺くらいには考えてる。
だってさあ、当事者だし何言っても良いってつけあがってるとこはあるけど、
例えば男が女性ホルモンを定期的に注射したところでさあ、見た目なんかろくに変わらんわけで、
なんなら若干気味悪くなるのに生殖機能失われたり血栓できやすくなったりデメリットしかなくて、
例え金に物言わせていろんな手術受けようとも、現代の医療技術では、性別をまたごうとする人に何が与えられるかっつって
男でもない女でもないよくわからん生き物っていうレッテルだけ。
虚無よ虚無。努力の先にあるのは虚無だけ。
 
こんなもんを自殺と呼ばないでなんと呼ぶのか。
なんかGIDやらトランスジェンダーやらSRSやらおしゃれなフレーズがいっぱい考えられてるけどな。
 
でも今、「自殺」を経て27歳から28歳になって、女の格好で暮らす1年の中で何を感じたかっていうと、
世界が開けた。
世界ってこんな感じだったのか、ってずっと驚いてる。
陳腐な、ニューハーフとかがよく使いがちな表現ではあるけど、でもまさに生まれ変わったような気持ちになってる。
 
自分がどういう人間なのかをはっきり認めた上で、新たに自分の周りにある世界と向き合い直すことが
こんなに意味のあることだとは思わなかった。「自殺」して結果オーライ。
生まれて初めてまともに恋もした。
もちろん、早朝に目覚めて、自分のゴツさとかブスさに死にたくなったり、好きな女の子のことを考えすぎて
ゲロ吐きそうになったりするけど、それでも
それすら抑えつけてた今までの人生よりはマシ。なんも成そうとしなかった自分が
なんかやろうとしたことだけは褒めたい。
 
自分のことを知るため、自分のことを認め直すためにこのブログ書いていきたい。